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平穏な日々を過ごすゼルギウス達。 ここから、少し捏造設定&オリキャラが、入りだします。 何か変な部分もありますが、ツッコミはご勘弁ください ![]() 『ゼルギウス将軍の一番長い日65〜それぞれの一週間 中編〜』 2月18日 元老院議会で、レスキューの杖の製造禁止法案が出された。 「神使様!ペルシス公! それは本気で言っておられるのですか! レスキューの製造を禁止すると!」 一人の議員が抗議の声をあげる。 「はい。私が調査した結果、10年前のブルーメル伯のご息女、ローザリア嬢の誘拐事件を皮切りに、ひそかではありますが、レスキューを使った誘拐事件が行われてきました。」 「だからと言って…杖そのものの製造を禁じなくても…。」 「そうです! レスキューとは、そもそも人命救助の為に作られたもの! 誘拐に使うなど、ごく僅かな例ではございませんか。」 「そのごく僅かが問題なのです…。 もしも、誰かが一国の王の誘拐を企んだらどうします? テリウスの情勢は今だ不安定な状況です。 危険分子はなるべく取り除いておきたい。 なに。永遠に製造禁止といく訳ではありません。 全ての奴隷がテリウスからいなくなり、ラグズとベオクの間に友好関係が結ばれれば、 レスキューは本来の役目通りの使い方が出来るでしょう…」 「半獣と友好だと… 何年かかっても無理に決まっている…。」 そんな声が上がったのを聞き、今まで口を閉ざしていたサナキが立ち上がった。 「半獣…ラグズを侮蔑の目でしか見んから友好を築けんのじゃ!!」 「し…神使様…。」 「ラグズとベオク。 対等の位置に立ち、互いに助け合えば友好など楽に結べる!! まだ同じ位置に立っていない分際で、無理などという言葉をはくな!!」 12の少女とは思えね剣幕でサナキは話し続ける。 「レスキューの杖の件は、以後も慎重に話し合っていく。 だが…覚えておいてほしい…。 レスキューを使った誘拐事件は、今だ行われておるのじゃ…。 愛する者が目の前から消えていく…。 その悲しみは筆舌にしがたい…。」 サナキはゼルギウスが消えた瞬間を思い出した。 ゼルギウスが消えた時、魂が半分持っていかれたと思った。 「私は…もう誰かにそんな思いはさせたくない…。」 あんな思いは、もう二度としたくない…。 数カ月後、元老院はレスキューの杖の製造禁止を決定する。 2月19日 ガトゥス公の屋敷に、秀麗な男魔道士が出入りしていると、女官が浮足立っている。 サナキ様がその男に惚れたらどうしよう…。 「ガトゥス公。レスキュー製造禁止ですか…。」 「うむ…。いずれはそうなるだろう…。」 ガトゥス公ルカンと、毒々しいまでの紫色をした美しい男が話し合っている。 「まあ、レスキューが使えなくなっても問題はありませんよ。」 「本当か!…まさか、あれが完成したのか! アシュラム!!」 「まだ試作段階ですがね…。」 アシュラムと呼ばれた男が足を組み替え言う。 「先日、試験的に使用してみたのですが、上手く作動してくれましたよ。 まだ調整が必要ですが、こちらにお任せを…。 我が偉大なる師、イズカ先生が、必ずリワープの杖を完成させてみせましょう…。」 アシュラムが部屋を出ると、廊下の角からアシュラムに魅入っている女官が無数にいた。 その女官達にアシュラムはにっこりと微笑む。 「きゃー!」 女官が黄色い悲鳴を上げた。 そして、アシュラムはその場から去って行く。 その顔に先程の微笑みはない。冷血な表情で歩いている。 (ふん…。くだらない女達だ…。 早くデインに行き、イズカ先生と研究の続きをしたい…。7号も完成段階に入っているし…。 しかし、デインまであの男と二人旅か…。) アシュラムは、先日久しぶりに再会したイズカの助手仲間の顔を思い出した。 ふわりとした灰色の髪に黒い瞳。人を食ったような態度。 アシュラムは、その男の全てが気に入らなかった。 何より、尊敬するイズカを『ジジィ』と呼ぶのが気に入らない。 イズカの命でなければ、あの炎の中助ける気など毛頭なかった。 (あの男が印付きでなかったら、とっくの昔になりそこないの餌にしているのに。 印付きは貴重な研究材料だからな。) アシュラムは、その男のいる部屋の扉を乱暴に、だが、優雅な動きで開けた。 「拷問官、起きたか。」 ベットの上には、かわいらしい顔をした男が座っていた。 左顔に残る火傷が痛々しい。 「よう。学者さん。」 拷問官、学者。 それが彼らの間の呼び名だ。 「公爵さんとの話しは終わったの?」 「ああ。もうしばらく帝都に滞在したら、デインに帰る。」 「デイン!今冬じゃん。 オレ寒いの苦手なんだよねー。」 「つべこべ言うな! 誰がお前を助けたと思っているんだ!!」 「…オレ、助けてほしいなんて言ってないし。」 ギロリとアシュラムが睨み付ける。 「へいへい。 天才科学者イズカ様の一番弟子。アシュラム様ですよ。」 「よし…。分かればいい…。」 アシュラムが満足げに答えた。 (デインか…兄さんから遠くなっちまうな…。) 拷問官は、英雄の姿を懐かしげに思い出した。 2月20日 ロッタとサーシャは生来の働き者のようだ。 「タダ飯食らいはしたくない!」と、言って大神殿にいる間は、食堂の下働きをしている。 ロッタとサーシャ。 二人は仲良くジャガ芋の皮剥きをしていた。 と、そこへ誰かが声をかけて来た。 「二人とも。精が出るな。」 「ルベール様。」 「ルベール兄ちゃん。」 「ちょうどよかった。 ルベール様も皮剥き手伝って下さい。」 サーシャがルベールにナイフを渡す。 「量が多くて大変なんだ。」 ロッタがジャガ芋を一籠渡した。 やれやれといった感じでルベールがそれを受けとる。 「こういうのは、ゼルギウス将軍のほうが上手なんだけどな…」 ゼルギウス。独身生活が長い為、結構料理上手なのである。 「二人は、これからどうするんだい?」 ルベールが聞いた。 「オレはガリアに行く。 オウラのことも話さないといけないし、何より、強くなりたい。 ゼルギウスのおっちゃんみたいに。」 「将軍のように?」 「うん!この前、ローザのとこに行った時話したんだ。自分は、花を守る添え木になるって。 オレも、テリウス中に花を咲かせたい!花を守りたい!! だから強くなるんだ! どんな風からも花を守れるように強くなる! おっちゃんみたいな、添え木になる!!」 金の獅子が立ち上がる。 「私は、ペルシス公爵軍に入ろうと思います。」 サーシャの言葉にルベールは驚いた。 「サーシャ!君が軍に入るのか!?」 「はい。私も強くなりたいんです。伯爵様みたいに、誰かを守って笑えるぐらいに! そして、誰かの笑顔を守れるぐらいに!! 伯爵様やロッタが花を守るなら、私はその花を見る瞳を守ります!!」 強き瞳の弓使いが拳を握る。 二人の少年少女の気迫に、ルベールは圧倒された。 「二人とも偉いな…。」 「ルベール兄ちゃんはどうするの?」 「ペルシス公爵軍に来るんですか?」 「いや。私はもともとガトゥス公爵軍の将だ。 あと何日かしたらガトゥス領に戻らなければならない。」 「そうか…残念です…」 サーシャが寂しそうに言った。 「けれど…いつかは私もゼルギウス将軍の力になりたい…。 私の力は、将軍には遠く及ばない。だが、私も強くなり将軍を助けよう! 花と添え木を守る柵となろう!!」 ルベールが声高らかに誓う。 「よーし!なら私達三人、次に会った時誰が一番強くなってるか競争ですね!!」 サーシャが言った。 「若いやつには負けないぞ!」 まだ充分若いルベールが言う。 「オレだって負けない!」 ロッタが拳を出した。 三人は、コツンと拳を合わせる。 『勝負だ!!』 その時、 「ロッタ!サーシャ! オヤツが出来たぞー!」 料理長のジーニが声をかけてきた。 「おや!ルベール様もお越しで。どうです? 今日のお3時は私特製ジンジャーケーキですよ。」 「それは美味しいだ。」 「私、ジーニ様のオヤツ大好きです!」 「オレも好き!!」 「二人は頑張ってくれてるからな!! たーんと食って、強くなれよ!!」 ジーニが二人の頭をガシガシと撫でる。 「行こう!ロッタ、ルベール様!!」 「うん!食堂まで競争ね!!」 二人はルベールを置いて走りだした。 「待て!フライングとは卑怯だぞ!!」 ルベールがその後を急いで追う。 三人の競争は、まだ始まったばかり…。 |
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