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今回は、ベグニオンメンバーのエピローグです。 『ゼルギウス将軍の一番長い日69 最終話 捧げよ聖者に杯を!! 中編』 大神殿の食堂で、初老の老人とチョコを食べている少女がいた。 「ジーニ様。このチョコおいしいですね。」 「そりゃそうだよサーシャ。 この店はベグニオン中でも老舗中の老舗!! この味は誰にも真似できん!!」 料理長のジーニとサーシャだ。 「よし!腹もふくれたとこだし、弓の稽古つけてやるか!!」 「はい!お願いします!!」 二人は弓兵の錬兵所へ来ていた。 矢がまっすぐ的の中央に飛んでいく。 トス! 「よし!上手くなったな、サーシャ!!」 「ありがとうございます。 ジーニ様のご指導のおかげです。」 ジーニも弓を構えた。 「サーシャ・・・よく見ておけ・・・。 かつて帝国一の弓使いと呼ばれた俺の特技だ・・・。」 サーシャはジッとジーニを見ている。 そして放たれた矢は・・・ ドス! 「す・・・凄い!!」 矢は中央に刺さった。 先にサーシャが放った矢を真っ二つに裂きながら。 「どうだ?老いてなお現役の俺の腕は!!」 「凄い!凄いです!! ジーニ様、何で騎士辞めて料理人になったんですか!! 今でも充分騎士としてやっていけますよ!!」 すると、ジーニはいきなりモジモジとして小声でサーシャに聞いた。 「サーシャ・・・絶対笑わないと誓うか・・・。」 「は・・・?そりゃ・・・笑いませんよ・・・。」 笑えるような理由なのだろうか? 「その・・・ミサハ様にな・・・俺の作った料理が美味いって褒められてなー!! はーはっはっは!!」 照れながらジーニが言った。 「もう!その時のミサハ様の笑顔といったら、言葉では表せんほど美しかったぞー!!」 ミサハの笑顔を思い出しデレデレなジーニ。 サーシャは、その顔にデジャビュを感じた。 (この顔・・・どっかで見たような・・・。) 『サーシャ!!聞いてくれ!! 今日サナキ様に、鎧姿が似合うと褒められた!!』 「は・・・伯爵様だー!!??」 サーシャが思い出したのは、サナキにメロメロなゼルギウスの姿。 「そのミサハ様の笑顔に一目ぼれしてな。 それ以後ミサハ様一筋!!生涯独身!!ミサハ様命!!」 誇らしげに語るジーニ。 サーシャは嫌な予感がした。 (まさか・・・伯爵様もこの人のようになるのでは・・・!? そ・・・それだけはイヤ!! よーし!こうなったら、私が伯爵様と神使様の仲を取り持ってあげないと!!) そして翌日から、サーシャはゼルギウスの恋愛成就のために、強大な敵と戦うこととなる・・・。 暗い部屋で、二人の男女がチョコを食べながら話し合っていた・・・ 「シグルーン・・・。最近のサナキ様のゼルギウスを見る目。 以前と違うと思いませんか・・・。」 「はい・・・。妙に熱のこもった目になってます・・・。」 セフェランとシグルーンが秘密会議を行っていた。 「やばいですね・・・。」 「やばいですわ・・・。これでは、サナキ様がゼルギウスにとられてしまいます・・・。」 「何とかしませんと・・・。」 と、そんな暗い部屋に光が差し込んだ。 「宰相閣下・・・シグルーン殿。そろそろ部屋を空けてくださりませんか・・・。」 茶髪に白髪まじりの老魔道士が入ってきた。 「ああ、すいません。ショーン室長。」 帝国歴史編纂室室長、ショーンである。 ここはショーンの仕事場なのだ。 「お二方・・・。なぜわざわざ私の仕事部屋で秘密の会議など開くのですか?」 本を机に置きながらショーンが聞いた。 「なぜ?愚問ですね!! このカビくさい空気!!秘密会議の場にぴったりではありませんか!!」 セフェランが堂々と言った。 「そんな理由で・・・。」 「そんな!?雰囲気は大事ですわよ!!」 シグルーンもセフェランに同調する。 「ふう・・・。困った方たちだ・・・。 私の仕事場を占拠し、そこで人の恋路を邪魔する算段とは・・・。」 「私たちは、サナキ様のためを思ってゼルギウス抹殺を考えているんですよ!!」 恋路の邪魔から抹殺にレベルアップしている。 「人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて死んじまえ・・・。 よいですか。恋には障害がつきもの。 障害があればあるほど、恋は燃え上がるのです・・・。 昔私は失敗しました・・・。 ミサハ様の恋の邪魔をしたら、余計ミサハ様は奴のことを好きになったんです!! だからお止めなさい!! 私の二の舞を繰り返す気ですか!!」 ここにも恋に破れた男がいた。 「ですが、サナキ様がこのままゼルギウスのものになるのを見過ごせますか!!」 「そうです!!セフェラン様!! 私たちは、絶対サナキ様を守りとおしてみせますわ!!」 二人は編纂室を出て行った。 一人残されたショーンは、 「は〜・・・。歴史は繰り返す・・・ですね・・・。 ミサハ様・・・あー!?何で私はあの時あんな馬鹿をやったんだー!?」 セフェランとシグルーン。腹黒コンビが手を組んだ。 次の日から、この二人と弓使いの少女の激しいバトルが始まる・・・。 花の甘い香りと、チョコの甘い香りが合わさる・・・ 大神殿の庭園には、テリウスにも数少ないガラス温室がある。 その中で、季節はずれの花々に囲まれながら、神使サナキは庭師ダンの手伝いをしていた。 「のうダン爺。花の世話は大変じゃの。止めたいと思った時はないのか?」 「いいえ。私はこの仕事を誇りを持ってやっております。 止めたいと思ったことなど、一度もありませんよ。」 好々爺然とした笑みを浮かべ、ダンは言った。 「私の育てた花を見て、ミサハ様は喜んでくれました。 花のようなミサハ様の笑顔を見ると、それまでの苦労も何もかも消え、また花を育てようという気になりましたよ・・・。」 昔を懐かしむように言うダン。 「そうか・・・。ダン爺。私もまた花を育てたい。 春になったら、花壇をひとつ貸してくれ。」 「ほう。花壇ですか?よろしいですよ。 確か前にもゼルギウス殿と花を育てましたな。」 「うむ。もう2、3年ほど前かの。 またゼルギウスと花を育てたい。」 「はいはい。頑張って下さいね。 ただし、今回はゼルギウス殿の鎧にミミズを入れないように。 ミミズは土を耕してくれるんですからね。」 そう言われサナキは、 「・・・ちっ・・・。」 と、舌打ちを打った。 (神使様が花壇の世話とは・・・。ミサハ様を思い出しますね・・・。) ミサハも花を育てていた。 青い髪の凛々しい青年とともに・・・。 (あのヤロー・・・・。オレのミサハ様に手を出しやがって・・・。) ダンの顔が好々爺とは全く正反対の顔へと変化する。 何度その青年の背中にぺシュカドをぺいっと投げようと思ったか・・・。 庭師ダン。かつては、カラミテ(災厄)と呼ばれた、テリウスでも名うての暗殺者だった。 しかし、ミサハ暗殺を依頼され、庭師として大神殿に忍び込んだのはいいがミサハに恋をし、 「カラミテやーめぴ。」 と、暗殺者から庭師へとクラスチェンジした男。 サナキとともに花を育てるゼルギウス。 (いかん・・・。どうしても奴を思い出してしまう・・・。 ナイフを体から離しておかんと。 絶対ゼルギウス殿の背中に投げてしまうからな・・・。) 隠しナイフをバラバラと机の上に置く。 「これでよし!」 暗殺者カラミテから、庭師ダンに戻る。 「しかし、神使様は最近お綺麗になられましたね。 まるでキルシュの花のよう・・・。」 そして、シエネの街に夜の帳が下りてくる………。 |
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