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help リーダーに追加 RSS ゼルギウス将軍の一番長い日67

<<   作成日時 : 2008/03/11 19:30   >>

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そして、一番長い日を過ごした仲間達との、別れの日が、やってきた…。

『ゼルギウス将軍の一番長い日67〜旅立ちの日〜』

 2月22日
 ロッタ達がガリアへ旅立つ日がやって来た・・・。

 ゼルギウス達は、旅立つロッタを見送りにシエネ城下入り口に来ていた。
 ティアマトらグレイル傭兵団が、クリミアに帰るついでにと、ロッタをガリアまで送っていくことになった。
 エリンシアとルキノも、今日クリミアへ帰国する。
 ルベールもガドゥス領へと出発する。

「なんか・・・一気に寂しくなっちゃいますね・・・。」
 サーシャがぽつんと呟いた。
 2月15日からの7日間は、とても賑やかで、楽しい一週間だった。
「サーシャ。オレ、ガリアから手紙書くからね・・・。」
「私も、ロッタに手紙書くよ・・・。」
 二人の目には涙がにじんでいる。
「ほら!二人とも泣くな!」
 ゼルギウスが二人の肩を抱いた。
「これで今生の別れという訳じゃないだろ。
 また必ず会える!涙は再会の時までとっておけ!」
「うん・・・。」
「はい・・・。」
 ロッタがゼルギウスに拳を差し出した。
「おっちゃん・・・。オレ強くなる・・・。絶対強くなる!!
 それで、ガリアの獅子王になって、大陸中の花を守るよ!!」
 ゼルギウスもロッタに拳を差し出す。
 小さな拳と大きな拳がコツンと合わさる。
「強くなれ・・・。
 ガリアの金獅子の名が、大陸中に轟く日を楽しみにしているぞ・・・。」

「クリミア女王。今回はお世話になりました。」
 ゼルギウスがエリンシアに一礼する。
「いいえ・・・。私も、今回の件では色々と考えさせられました。
 まだまだこの大陸には、奴隷をよしとする人々が多くいるということを・・・。
 クリミアに帰り、我が国で同じようなことがないか徹底して調査して行くつもりです。」
「エリンシア様。私と弟も協力致しますわ。」
「頼むぞエリンシア、ルキノ。」
 サナキが言った。
「奴隷制度を失くすには、まず国の長たる我らが先頭に立っていかねばならん。
 ミサハ様の蒔いた種を枯らさぬよう、共に力を合わせて行こう・・・。」
「はい・・・。いつの日か、テリウスに花満ちる時まで・・・。」

「ガトリー君・・・セネリオ君。
 もう少し休んでいったほうがいいのではないか?」
 昨日ティアマトに半殺しにされた二人に、ゼルギウスは心配そうに声をかけた。
「いえ・・・。大丈夫っす・・・。」
「早くクリミアに帰りたい・・・。
 もうこれ以上ティアマトさんにいたぶられたくない・・・。
 こういうのは、ボーレの役目だと決まってるんです・・・。」
 よれよれと二人が言った。
「こら!あんた達、将軍にいらないこと言ってんじゃないわよ!!
 将軍。あんなのの言うことなんて、信じないで下さいね。」
 今だゼルギウスに夢中なティアマト。
 好印象を与えようと微笑むが、
(信じないでと言われても、昨日一部始終見てるし・・・。)
 ガトリーをハンマーでぼこり続けたティアマトに、恐怖しか感じない。
「まぁ二人とも・・・生きてクリミアまで帰ってくれよ・・・。」
『はい・・・。生きてまた会いましょう・・・。』
 ゼルギウスは、とりあえず励ましの言葉をかけた・・・。

「ルベール。お前にも世話になったな。」
「有難きお言葉。私も、将軍の力になれて幸せでした。」
 二人は握手を交わす。
「ガドゥスといっても、同じ帝国領だ。
 またすぐに会えるだろう。」
「はい・・・。その日が来るのを楽しみにしています。」
「今度はゆっくり酒でも酌み交わしたいものだな。」
「その時は、将軍のおごりでお願いしますよ。」
「ああ。いい店に連れていってやろう。」
 
「皆さん。旅立ちの前に、渡しておきたい物があります。」
 紙袋を持ったセフェランが前へ進み出た。
「はい、サナキ様。」
「うむ。」
 袋をサナキに渡す。
 するとサナキは、一人一人に綺麗に包装された小さな箱を手渡しして行った。
「何これ?甘い匂いがするよ。」
 ロッタが箱をくんくんと嗅ぐ。
「サナキ様から、一週間遅れのバレンタインチョコです。」
「今回は、皆頑張ってくれたからな。
 心ばかりじゃが、私からの感謝の気持ちじゃ。
 ほれ、エリンシア達にもあるぞ。」
 女性陣にもチョコを渡す。
「これ、ベグニオンでも有名なお店のチョコではないですか!!
 きゃー!一度食べてみたかったんです!!」
 甘い物に目がないルキノが嬉しそうに言った。

「喜んでもらえたようでよかったですね。サナキ様。」
 そう言うセフェラン。
 だが、
「あの〜・・・・。」
 すまなさそうな声が喜びの声の中から聞こえてきた。
「私だけ貰ってないんですけど・・・。」
 ゼルギウスが小さく手を上げている。
「ゼルギウス。あなたの今年のチョコは、バレンタインに受け取る一個だけという約束でしょ。」
 セフェランがそう言い聞かせる。
「そんな・・・!それって、セフェラン様が考えた囮作戦なんですよね!!」
「約束は約束です!!
 貴方の今年のチョコはなし!!
 て言うか、サナキ様のチョコは、貴方には永遠にあげません!!」
「え〜!?酷いですよ!!私頑張ったのに!!」
 ぎゃーぎゃー言い争う二人。
 周りは「将軍可哀想・・・。」と、いう哀れみの目で見ている。
「こらセフェラン。そんなにゼルギウスをいじめるな。」
 二人の間にサナキが入った。
「ほれ、ゼルギウス。受け取れ。」
 サナキがずいっと箱をゼルギウスに差し出す。
「サ・・・サナキさま〜!!」
 ゼルギウスの顔がぱぁっと輝く。
「皇帝というのは、臣下には公平でないといかん。
 皆にあげて、お主にあげないというのは不公平じゃ。」
 笑顔でチョコを渡すサナキの背後で、
「つまり義理チョコですよ。義理チョコ。
 調子に乗るなよ・・・。このロリギウスが・・・。」
 と、セフェランがぶつぶつ言っている。
 だがゼルギウスは、
「サナキ様!ありがとうございます!!」
 そんな言葉は耳に入らないといった様子で、そのチョコを受け取った。

(ゼルギウス・・・嬉しそうじゃの・・・。)
 満面の笑みを浮かべチョコを受け取るゼルギウス。
 その顔を見て、サナキはちょっぴり心が痛んだ。
(今年はすまんの・・・。ゼルギウス・・・。
 けど・・・来年は・・・。)

「それじゃあ、そろそろ行くわよ。」
 ティアマトがロッタ達を促す。
「ルキノ。私達も行きましょう。」
 エリンシアとルキノが天馬に跨る。
「またお会いしましょう・・・。」
 ルベールが馬車に乗り込んだ。

「皆さん。来年もゼルギウス争奪戦やりますから来て下さいねー!!」
「セフェラン様!?マジっすか!?」
 セフェランが、来年もバレンタインゼルギウス争奪戦開催を宣言した。
『は〜い!絶対きま〜す!!』
「三人とも怖いから来ないでくださ〜い!!」
 エリンシア、ルキノ、ティアマトは、来年も参戦する気満々だ。

「来年の付き添いはボーレに任せましょう・・・。」
「もう来たくないっす・・・。」
 セネリオとガトリーは来年は不参加なようだ。

「おっちゃ〜ん!来年は、オレがおっちゃんを守るよー!!」
「ロッタ!頼むぞ!!
 キレた女性ほど怖いものはない!!」
 ロッタはゼルギウス側につくらしい。
「私も、伯爵様をお守りします!!」 
「サーシャ!後方からの援護を頼んだぞ!!」
「私も勿論、将軍の味方につきますよ。」
「ルベール!!お前は私の一番の部下だー!!」
 サーシャ、ルベールという心強い味方もゼルギウス側についた。

「サナキ様。来年のバレンタインも楽しみですねぇ。」
 セフェランがビデオカメラのレンズを磨きながら言う。
「来年の・・・バレンタイン・・・のう・・・。」
 何かを考えながら、サナキは言った・・・。

 そして、皆は声を合わせ、
 『それじゃあ!また来年ねー!!』 

 そう言い、それぞれの行く先へと旅立って行った・・・。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あと三話、エピローグが入ります。

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