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help リーダーに追加 RSS ゼルギウス将軍の一番長い日66

<<   作成日時 : 2008/03/10 19:25   >>

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それぞれの一週間は平和に過ぎていきます。そして……

『ゼルギウス将軍の一番長い日67 〜それぞれの一週間 後編〜』

2月21日 午前

 14日壊れた鎧の修繕が終わったと連絡が来た為、鎧を引き取りに行く。
 ここ数日は借りの鎧だったから、少し落ち着かなかった。
 サナキ様も久々の外出と、グレイル傭兵団の方々を護衛にして一緒に来てくれた。
 ちっ…。傭兵団が来なかったら二人きりだったのに。どうせセフェラン様の仕業だろう。

「将軍…。本当にいいんすか。俺の新しい鎧まで用意していただいて。」
 ガトリーが真新しい青い鎧を着込みながら言う。
「君達には世話になったからね。
 私個人からの報酬だと思ってくれ。
 どうだ?新しい鎧の着心地は。」
「サイコーっよ!装甲の厚さのわりには関節部分が動かし易くてイイ感じっす!!」
「そうだろ!この鍛治屋はいい仕事をしてくれるから、いつも鎧の手入れを頼んでるんだ!!」
「かー!うらやましいっす!クリミアにはこんないい店ないっすよ!!」
 ゼルギウスとガトリーが重騎士同士のマニアックな会話をしていた頃、サナキはティアマトとセネリオを連れて仕立て屋へと来ていた。

「ミストへのお土産の服。素敵に出来たわね。」
 ティアマトが山吹色の服を見ながら言う。
「ミストも女の子ですもの。着たきり雀じゃかわいそうだわ。」
「そうですね。アイクはそういうの無頓着ですから。」
「セネリオにも、新しい服の注文をしておいたわ。」
「僕にですか?」
 黒い服をセネリオにわたす。それを体に合わせてみると、
「少し…大きいような気がします…。」
「いいのよ。男の子なんだし、これからどんどん大きくなるわ。」
 セネリオは少し複雑そうな顔をしたが、
「ありがとう…ございます…。」
 顔を赤くさせ、礼の言葉を言った。

 自分が印付きだというのをティアマトは知らない。
 自分がこの服ピッタリの身長になるまで、何年かかるか分からない。
 けれど、セネリオはティアマトの優しさが嬉しかった。
 そしてセネリオは、言ってはいけない一言を言ってしまった。
「ティアマトさんは、お母さんみたいですね。」

 ピキ〜〜〜〜〜〜〜〜ン

 石化するティアマト。
「セ…セネリオ…。
 誰がお母さんですって…。」
「ティアマトさんですよ。ティアマトさん。
 世話焼きな所がお母さんっぽいです。」
 セネリオに悪気はない。だから余計に質が悪い。
 そしてトドメの一言が!
「僕、お母さんと買い物かい?いいねぇ。若いお母さんで。」
 店主がそう言ったのだ!!
「だ〜れ〜が〜…お母さんですって〜!!」
 ティアマトが斧を持って暴れ出した。
 びみょ〜なお年頃なティアマトに、「お母さん」は禁句だ…。

「ティアマト…私が試着をしている最中に何があったのじゃ…。」
 試着部屋から出て来たサナキが見た物は、髪を振り乱し斧を持つティアマトと、黒い服を真っ赤に染めたセネリオ。そして、かつて仕立て屋と呼ばれた家の残骸だった…。
「神使様。それが新しい服ですか?」
 ティアマトはサナキの質問に答えず聞いた。
「うむ…似合うかの…」
「ええ。とても可愛いですよ。少し大人っぽいですし。」
「そうか。よかった…」
「じゃあゼルギウス将軍達のとこに行きましょうか。
 神使様も、将軍に新しい服を見せたいでしょう?」
「な…バカを申すな!
 誰がゼルギウスなどに!」
 サナキが必死に否定する。
(ふふ…。頬を染めてそんなことを言っても、全然説得力ありませんよ。)
 そして二人は、仕立て屋を出て行った。
「ティアマトさん…待って下さい…。」
 血だらけになったセネリオを残して…。


2月21日 午後

 ガトリー君と重騎士同士の友情を深める。
 こんなに鎧の話で盛り上ったのは久しぶりだ。
 漆黒時代はタウロニオ将軍と鎧今昔で夜明けまで話し合ったな…。

「見てくれ!この装飾の素晴らしさを!!」
 ゼルギウスが壁に飾ってある鎧の説明をしている。
「これはこの店の先代が作ったものだ。もう30年以上昔の鎧だぞ。」
「世代を越えても、この鎧の素晴らしさは不変のモノっすよー!!」
「分かってくれるか!ガトリー君!!」
「はい!鎧こそ、男を最も輝かせるマストアイテム!!」
「ガトリー君!」
「ゼルギウス将軍!」
 がっと抱きしめ合う二人。

『鎧は…最高だー!!』

 と、天に向かって吠えていた所に、
「おぬしら…何をやっておるんじゃ…。」
 ツッコミを入れる少女の声が。
「ゼルギウス…何男と抱き合っておる…。」
「サ…サナキ様。」
 盛り上がった鎧熱が一気にクールダウンするゼルギウス。
「ガトリー…。ガトリーの分際で何ゼルギウス将軍に抱き着いてんのよ…。」
「ティアマトさん…これは…鎧がですね…。」
 素早くゼルギウスから離れるガトリー。
『言い訳…無用!!』
 サナキの炎がゼルギウスを焼き、ティアマトのハンマーがガトリーを襲う。
『ぎゃああー!!』
 二人の重騎士の悲鳴が、帝都の空に響き渡った…

「まったく…せっかく新しい服を着てきたというのに、ススで汚れてしまったわ…。」
 ぱんぱんとススを払いサナキが言う。
「新しい…服…。」
 黒こげになったゼルギウスが、サナキの姿をよく見る。
 全体的なイメージはあまり変わっていない。
 だが、外套を胸の所で可愛いらしく結び、中に着ている服のデザインは全く変わっている。
 そして何より違うのは…

「サナキ様!何肩出してんですかー!?」

 サナキの白い肌が見えていることだ。
「似合わぬか?」
「似合う似合わないの問題じゃないですよ!?
 そんな格好してると、変な男に連れてかれますよ!!」
 その言葉を聞きガトリーは、
(将軍…自分が一番変な男だって自覚はないんすね…。ガク…。)
 心の中でそうツッコミ、力尽きた…。
「その心配はないじゃろ。」
「あります!おおいにあります!!」
(だってサナキ様、こんなに可愛いんですよ!!
 誰かがさらう前に、私がさらってしまいそうです!
 頑張れ!ふんばれ!!私の理性!)
 ロリギウス出現。 理性よ。ロリギウスを抑えてくれ。
「ゼルギウスが守ってくれるから、心配いらんじゃろ。」
 無邪気な笑顔で言うサナキ。
(可愛い…連れ去りたい!けど、サナキ様の笑顔を裏切りたくない!!)
 ゼルギウス。欲望を抑えることに成功。

「じゃ。そろそろ大神殿に帰るか。」
「そうですね。もう夕方ですし。」
 二人が並んで鍛治屋を出て行く。
 外に出た時、夕日がゼルギウスを照らした。
 紅い鎧と夕日の紅が重なり合い、更なる紅を造り上げる。
 それを見たサナキは、

「やはり…ゼルギウスには鎧がよう似合っとるな…。」
 と、思わず言ってしまった。

「えっ!?」
 ゼルギウスが嬉しそうにサナキの顔を見る。
 夕日がサナキの顔も紅く染めている。
(よかった…今が夕暮れ時で…)
 サナキはそう思った。
(でないと、顔が紅くなっているのがバレてしまうからの…。)

 一方、その頃のティアマトは…
「ガトリー…何私差し置いて将軍と仲良くなってんのよ…」
「ティアマトさん…もう勘弁してほしいっす…」
 ハンマーでガトリーを殴り続けていた…。


 そして、旅立ちの日が訪れる………

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