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死の淵から目覚めたゼルギウス。 そして、一番長い日の終わりが、すぐそこに近づいていた・・・・・・。 『ゼルギウス将軍の一番長い日63 英雄群舞 終幕 〜一番長い日の終わり〜』 月が、雲に隠されることなく美しく輝いている。 「シグルーン!消火を急がせなさい!!」 「了解!!3番隊、4番隊は東から。1番隊、2番隊は正面から消火を。5番隊!延焼を防ぐ為に周囲の木を切り倒しなさい!!」 火事の煙を見てやってきたのだろう。 セフェランがてきぱきと指示を出し、聖天馬騎士団が消火活動を行っている。 ルベールやティアマト達もその手伝いにあたっている。 ゼルギウスも消火に向かおうとしたが、 「出血多量で死に掛けたんですよ!! 今はじっとしていなさい!!」 と、セフェランに止められ、今はサナキが勝手な行動をとらないように見張る番をしている。 もっとも、サナキとしてはゼルギウスが無理をしないよう自分が見張っているつもりなのだが・・・。 喧騒の中、二人の間には妙な沈黙と緊張感が漂っていた。 「・・・・・。」 「・・・・・。」 話すべき言葉が見つからない。 (この空気を何とかしたい・・・。) ゼルギウスが何か話題を探していると、 「のう・・・ゼルギウス・・・。」 サナキが沈黙を破った。 「何でしょうか。」 しめたとばかりに、ゼルギウスが返事をする。 「今回はすまぬ・・・。 私の短慮のせいで・・・お主を殺しかけてしまった・・・。」 「いいえ・・・。こうして、私は無事に戻ってこれたのです・・・。 ですが、以後このようなことはなさらぬようお願いしますよ。」 「分かっておる・・・。 それでじゃ・・・お主に命を下す。」 「はい・・・。」 「もう二度と・・・私の為に命をかけ、戦おうとするな。 お前は私の奴隷ではない。 お前の命はお前のものだ。 私のせいでお前が傷つくところなど・・・もう・・・見たくない・・・。」 そう・・・もう二度とゼルギウスの傷つく姿を見たくない・・・。 例えそれが自分を守る為であっても・・・。 ゼルギウスは凛とした声で答えた。 「申し訳ございません。私は、その命を受けるわけにはいきません。」 「な・・・!?」 サナキが唖然としてゼルギウスの顔を見た。 その瞳に迷いはない。 何を言っても、命を受ける気はないだろう。 「お前・・・私の気持ちが分からぬのか・・・。 私は、お前に傷ついてほしくないから命じたのじゃぞ・・・。」 「サナキ様のお優しい心は分かっております・・・。 だからこそ、私はその命を受けれないのです・・・。」 何故分かっているのに聞けないのか。 やはり、ゼルギウスは自分の奴隷なのだろうか。 サナキの心に、ゼルギウスに対する怒りが沸き立つ。 「この・・・バカ!!」 そう言い放つと、サナキはその場から走り去る。 「サナキ様!」 ゼルギウスがその後を追った。 「バカ!バカバカ!!」 私はゼルギウスに死んでほしくないのに! 私はゼルギウスを殺したくないのに!! なのに、ゼルギウスは私の気持ちを全然分かってない!! 「ゼルギウスの・・・バカー!!」 サナキがそう叫ぶ。 「ちょっと・・・誰がバカですか!!」 サナキを追いかけながらゼルギウスが聞く。 「お前じゃ!!バカ!!」 振り返りそう答える。 そのとき、サナキがバランスを崩し転びそうになった。 「わぁっ!?」 「危ない!!」 ゼルギウスが背後からサナキを抱き、転びかけたのを救う。 「バカ!!離せ!!」 「暴れないで下さい!!」 サナキの拳が背後にいるゼルギウスの顔を狙う。 「サナキ様!私の話も聞いて下さい!!」 「うるさい!奴隷の話など聞けるか!!」 そうだ。ゼルギウスは奴隷だ。 私の為に戦って、私の為に死ぬ。 こっちの気持ちなどお構いなしに!! 主の命なら、命をドブに捨てることさえ厭わない奴隷だ!! 「私は、奴隷を臣下に持った覚えはない!!」 よりいっそう大きな声でサナキが叫んだ。 だが、それより大きな怒号が夜空に響いた。 「私は貴女の奴隷ではない!!!!」 「!?」 小鳥がその声に驚き、木々を揺らし飛び立つ。 「私は・・・奴隷ではありません・・・。」 今度は優しくサナキに囁く。 ゼルギウスはサナキの首に腕を回し、そっとサナキを抱きしめ、その細い首筋に顔のうめ話続ける・・・。 「私は貴女の奴隷ではない・・・。 だから・・・その命を受ける訳にはいかないのです・・・。」 「な・・・何故じゃ・・・。」 「貴女の為に戦うこと・・・。それが私の願い。願望だからです・・・。 貴女を守る為なら、私は万の敵とでも戦いたい・・・。 女神が貴女を害するなら、私は女神と戦いたい・・・。 貴女の為に・・・私は剣をふるいたいのです・・・。 私は、自分の願いを叶えたい・・・。 ですから、自分の為に戦うなというサナキ様の命を受けれません・・・。 どうか・・・ご容赦下さい・・・。」 「願い・・・それがゼルギウスの願いなのか・・・。」 だから命令を聞かなかったのだ。 自分の願いの為に。 (願いを叶えたい・・・。ゼルギウスは・・・奴隷ではない・・・。) 「はい・・・。そして、私は欲深い心を持っています・・・。 もうひとつ・・・願いがあるのです・・・。」 「なんじゃ・・・言ってみよ・・・。」 「どんな敵と戦い、傷ついても・・・貴女のもとへ帰ってきたい・・・。 サナキ様・・・貴女のいる所を、私の帰る場所にさせていただきませんか・・・。」 私のもとへ帰ってくる・・・。 それがゼルギウスの願い・・・。 けど・・・その願いは・・・。 「バカ・・・・。」 サナキが小さな声で呟いた。 「駄目ですか?」 「バカ・・・。私のいる場所以外に、お前の帰る場所があるのか。 そんな願い・・・とっくの昔に叶っておるわ・・・。バカ・・・。」 「サナキ様・・・!!」 ゼルギウスが喜びに顔をきらめかせ、より強い力を込めサナキを抱きしめる。 「私は、どこへ行っても必ず貴女のところへ帰ってきます・・・。 絶対に死にません・・・。貴女の為に・・・生きて帰ってきます・・・。」 「うむ・・・。帰ってくるのじゃぞ・・・。」 首に回されたゼルギウスの腕にそっと触れる。 「ゼルギウス・・・私はお前の願い事ばかり聞いておる・・・。 不公平じゃ・・・。 私の願いも聞いてくれるか・・・。」 「はい・・・何でしょうか・・・。」 「私は、必ずミサハ様が蒔いた花を咲かせる。 その花を一緒に見てほしい・・・。 これは命令でなく・・・お願い事じゃぞ・・・。」 「その願いも・・・私の願いです・・・。 二人で一緒に・・・花を咲かせましょう・・・。」 花を咲かそう 花を見よう ワルツを踊ろう あなたと二人 それが願い 私とあなたの そのとき、白い花びらがひらひらと舞い降りてきた。 「花・・・?」 サナキがその花びらを手にとると、それは一瞬で溶けてしまった。 「雪なのか・・・雲もないのに・・・。」 「風花ですよ。 晴れていてもちらつく雪・・・。風にのって飛んできたんです。」 「そうか・・・。きれいじゃな・・・。 白くて・・・ひらひら舞って・・・。 まるでキルシュのようじゃ・・・。」 キルシュの花のように、雪の花びらは舞い続ける。 「ええ・・・。とても美しい・・・。」 ゼルギウスが月の光を受け舞う風花に魅入って言った。 「ゼルギウス・・・・。」 サナキがゼルギウスの腕をぎゅっと掴む。 「ゼルギウスは・・・キルシュは好きか・・・。」 背中を通して、ゼルギウスの心臓の音が聞こえてくる。 私の心臓の音も、ゼルギウスに聞こえているのだろうか。 「はい・・・。大好きです・・・。」 その言葉を聞き、サナキもそっと瞳を閉じ言った。 「そうか・・・私も・・・大好きじゃ・・・。」 ゴーン・・・ゴーン・・・ゴーン・・・ 雪のキルシュが舞う帝都の夜空に、12時を告げる鐘が鳴り響く。 それは、ゼルギウス将軍の一番長い日の終わりを告げる鐘・・・。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ゼルサナにフィーバーがかかっております ![]() 12歳の少女に、プロポーズしている外見年齢30代の男。 異常な光景ではありますが、年の差、体格差アリカプ好きな者としては、萌え!! キルシュが好きかと聞くサナキ。 好きだと答えるゼルギウス。 二人が示すキルシュとは、一体何なのでしょうね〜〜w この後、エピローグがダラダラと、続きます。 |
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