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help リーダーに追加 RSS ゼルギウス将軍の一番長い日56

<<   作成日時 : 2008/02/11 22:12   >>

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炎の中、ゼルギウスを捜すサナキ。
サナキは考える。どうして自分が、ゼルギウスを求めるのかを・・・・・。

『ゼルギウス将軍の一番長い日56 英雄群舞 第22幕 〜炎の中のアリア 後編〜』

 サナキは壁を伝いながら歩き続けた。
「ゼルギウス・・・ゼルギウス・・・。」
 探し人の名を呼び続けながら・・・。

 どうしてこんなにゼルギウスを求めるんだろう・・・。

 皇帝の椅子についた時、私は一人だった。
 セフェランが側にいてくれたけど、やはり家族がいないという寂しさは大きかった・・・。
 そんな時、彼を見つけた。
 いつも微笑んでいたけど、自分と同じ寂しそうな瞳をした黝い髪の騎士。
 子供心に思った。彼の寂しさを少しでも癒してあげれたら。
 だから抱きしめた。あの雨の日に。
 自分の温もりが、彼の心を癒すように。

「いや・・・違う・・・。」

 抱きしめて欲しかったのは私だ・・・。
 寂しさのわかる者なら、抱きしめてもらえると思ったからだ・・・。
 彼の温もりが欲しかった。彼に抱きしめて欲しかった。
 寂しい心を・・・忘れさせて欲しかった・・・。

「ゼルギウス・・・どこじゃ・・・。」
 煙で呼吸が困難になってきた・・・。

 彼の腕は優しくて、大きくて。
 まるでお父さんのように暖かかった。
 彼の温もりに、私は救われた・・・。
 彼がいなくなったら、私は誰に温もりをもらえばいいのだろう。
 私がいなくなったら、彼は誰に温もりをもらうのだろう。

「ゼルギウス・・・私を・・・。」
 サナキはその場に腰をついた。
 もう歩く気力がなかった・・・。


「サナキ様!!どこですか!!」
 迫りくる炎を剣で切り裂きゼルギウスは進む。

 この国に来て、私は本当に笑うことを忘れてしまった。
 上辺だけで他人と付き合い、必要以上に人に好かれないようにする。
 そんな毎日を送っていた。
 寂しかった・・・。人と笑い合えないとこが・・・。
 だがあの雨の日に、私を抱きしめてくれた少女は、私の心を覆った氷の鎧を一瞬で
溶かしてしまった。
 あの日の温もりを、私は忘れたことはない。
 私は彼女に救われた。

「サナキ様!私です!!ゼルギウスです!!」

 私は、彼女が与えてくれた温もりを少しでも返してあげたかった。
 彼女の家族になろう。私はそう誓った。
 一緒に遊び、一緒に笑い。
 彼女の暖かな笑顔が私は大好きだった。
 彼女の笑顔は、私の心を暖め続けてくれた・・・。

「サナキ様!サナキ様!!」

 彼女が私に与えてくれた温もりを、少しでも返したい。
 私はまだ彼女に温もりを返していない。
 彼女がいなくなったら、私は誰に温もりをもらえばいいのだろう。
 私がいなくなったら、彼女は誰に温もりをもらうのだろう。

 天井の梁が焼け落ちてくる。
 それを切り飛ばしゼルギウスは叫ぶ。

「どこだー!!サナキー!!」

「ゼルギウス!?」
 サナキの耳にゼルギウスの声が聞こえた。
 だが、炎によりかき消される。
(私はこのままここで死ぬのだろうか・・・。)
 パチパチと炎が音をたて迫ってくる。
「ゼルギウス・・・。」
 ふと、サナキの頭に呪歌の旋律が浮かんだ。
(あやつ・・・この歌が好きだったな・・・。)
 サナキは初めてこの歌を歌った時を思い出した・・・。

「・・・どうじゃ・・・。上手く歌えたかの。」
 歌詞はわからない。ハミングだけの歌。
「はい。とてもお上手でしたよ。」
 セフェランが手を叩く。
「ゼルギウスは・・・どうじゃ?」
 すると、ゼルギウスは困ったような顔をした。
「私は武人ですので・・・。
 そういう芸事の上手い下手はよく分からないのです・・・。」
 サナキは頬を膨らませた。
「では、好きか嫌いかで聞く。
 お主はこの歌は好きか。」
 ゼルギウスは今度は即答した。
「はい。好きですよ。」
「よし!なら一度歌ってやる!!」
 そうして歌う呪歌を、ゼルギウスは瞳を閉じて聞いていた。
 歌い終わるとこう言った。
「もう一度・・・お願いします・・・。」
 とても穏やかな顔で呪歌を聞き続けていた・・・。

「ル・・・ルル・・・ル・・・ルル・・ル・・ルル・・ル・・」

(ゼルギウス・・・聞こえるか・・・。)
 サナキは小さな声で歌い始めた。
 ゼルギウスが好きな呪歌を・・・。
(私は・・・ここにおるぞ・・・。
 お前の為に・・・歌っておるから・・・早く・・・来て・・・)

『ル・・・ルル・・・ル・・・ルル・・ル・・ルル・・ル・・』

「これは・・・解放の呪歌・・・」
 炎の中から、弱弱しい歌声が聞こえてきた。
「サナキ様!!」
 ゼルギウスは急いでその声の方へと駆け出した。

『ルルル・・・ル・・ルル・・ル・・ルル・・ル・・ルル・・ル・・』

 歌声は今にも消えそうだった。
「消えないで・・・消えないでくれ!!」
 炎を掻き分けゼルギウスは歌声の元へ向かう。

『ルルルル・・ルル・・ル・・ルル・ル・・ルル・・ル・・ル・・ル・・ルル・・ル・・ルル・・ル・・』

「今・・・今行きますから!!」

「ル・・・ル・・・」

 薄れる意識の中、サナキは歌い続けていた。
 この歌が好きだったゼルギウスの耳に届くように・・・。
 私はここにいる。お前の近くにいる。
 お前は一人じゃない。私は一人じゃない。
 そう想いを込め歌った。
 その時、頭上からパラリと木屑が落ちてきた。
 上を見ると、天井が今にも崩れ落ちようとしていた。
「!!??」
 そして、ガラガラと音を立てサナキのいるところへと天井が落ちてきた。

 サナキの心に、今まで出会ったもの達の顔が浮かぶ。
 セフェラン、シグルーン、タニス。
 大切な家族の笑顔が浮かぶ。
 だが、最後に浮かんだゼルギウスだけは、今にも泣きそうな顔で自分を見つめていた。
(ゼルギウス・・・何故そんな顔で私を見るのじゃ・・。)
 私は貴方の笑顔が好きなのに・・・。

「・・・キ様・・・。サナキ様!サナキ様!!」
 誰かがサナキの肩をゆらし、必死に名前を呼び続けている。
「サナキ様!しっかりして下さい!!サナキ様!!」
 黝い髪に、五月の新緑のような瞳。
 そして優しく大きな手・・・。
「ゼ・・・ゼルギウス・・・。」
「サナキ様!!」
 サナキは自分の体を見た。傷ひとつ付いていない。
 ゼルギウスが、落ちてくる天井を背中に受けサナキを守ったのだ。
「よかった・・・。無事で・・・無事でよかった・・・。」
 瞳を涙で潤ませサナキにそう言う。
「こら・・・何そんな悲しそうな顔をしておる・・。」
 ゼルギウスの頭をそっと撫でる。

「サナキ様が・・・なかなか見つけに来てくれませんので・・・
 寂しくて・・・泣いておりました・・・。」

 そう言うと、ゼルギウスはしっかりとサナキを抱きしめた・・・。 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
はい。この回は、書いててゼルサナ熱が一番盛り上がった回でした。ヒートアップです!!


おまけ

『書き込みまでしばらくお待ち下さい。』

お屋敷炎上中…

エリンシア「ルキノ!私も中に行きますわ!!」
ルキノ「エ…エリンシア様!?何を考えているのですか!?」
エリンシア「サーシャちゃんとロッタ君に聞きました…。
      何でもこの組織お抱えの拷問官さんは、中々かわいらしいお顔をしているとか…。」
ルキノ「可愛い顔…。まさか…エリンシア様!?」
エリンシア「そう!彼を我がクリミア逆ハーレムの一員に加えるべく、
       私は炎の中に行かなければならないのです!!
       ルキノ!私達の合言葉は!!」
ルキノ「クリミアの美形は私のもの!ベグニオンの美形も私のもの!!」
エリンシア「そして!テリウスの美形は全て私のもの!!
      行きますわよ、ルキノ!!
      クリミア逆ハーレムのメンバー捕獲の為に!!」
ルキノ「はい!エリンシア様!!」
サーシャ「お二人とも!お待ち下さい!」

ピコココーン!! 
ピコピコハンマーで二人を殴るサーシャ!!

エリンシア「サーシャちゃん!何故止めるのですか!?」
サーシャ「当たり前です!何ですか!逆ハーレムって!?」
エリンシア「私の野望です。止めないで下さい!!」

炎の中に飛び越もうとするエリンシア。
必死に止めるサーシャ。

サーシャ「あーん!ロリギウス将軍がいないから安心してたら今度はエリンシア様が暴走!?
      撃ち落としますよ!!」
エリンシア「やれるものならやってみなさい!
      次回『ゼルギウス将軍の一番長い日57 英雄群舞 
      第23幕 〜笑い声は歌うように響く〜』
      次回で私は、必ず逆ハーレムを築いてみせます! 」
サーシャ「書き込みまでしばらくお待ち下さ〜い!!」

エリンシア「でぇええい!サーシャ!お放しなさい!!」
サーシャ「ダメですーーーー!!」

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ゼルギウス!!!!格好よすぎる!!!!
こんなゼルギウスが読みたかったんですよーーー!!!!
サナキ様を呼び捨てにしてるところが、また…w
そして、サナキ様も、(回想含め)可愛すぎです!!!!
読んでいるこちらも燃え上がってきましたよ!!!!
そして、エリンシアの行動が笑えて…
こちらはいい清涼剤になってくれました…
とにかく、今回はすごく読み応えがありました!!!
琴里
2008/02/11 23:03
琴里様
コメントありがとうございますorz

サナキ様を呼び捨てにする所は、サナキを想うゼルギウスの本音が、ついが出てしまったんですよw
二人の互いを想い合う気持ちが、少しでも伝わるといいなぁと、思っています。
ゼルサナの終盤のヒートアップ度合いは、半端なものじゃなかったです。
今回読み返して、私も燃え上がってました。
リリカル
2008/02/12 05:53

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