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help リーダーに追加 RSS ゼルギウス将軍の一番長い日52

<<   作成日時 : 2008/01/30 22:29   >>

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サナキ様。怒りの炎が大爆発!!

『ゼルギウス将軍の一番長い日 英雄群舞 第18幕 〜炎のロンド 前編〜』

 燃え盛る広いダンスホール。二階へ続く階段の踊り場で、青紫髪の少女が倒れている。
「おい、神使!寝てんじゃねぇ!!起きやがれ!!」
 階下から、黒装束に身を包む灰色の髪の男が、左顔を押さえながらサナキに叫ぶ。
 顔を押さえる指の隙間からは、酷い火傷が見えていた。
「起きろ!あんたが死んだら、兄さんが泣くじゃねーか!!」
 ヴェイラが必死に呼びかける。
 だがサナキは一向に起きようとしない。
(くそ・・・!何でこんなことになったんだよ・・・。)

 少々時を遡ろう。
 それは、セフェラン達がドレインを追い隠し通路に入って行った直後のことだ・・・。

 セフェラン達が隠し通路に入った後のドレインの部屋。
 隠し通路のある反対側の壁が少し動いた。
 扉のように壁が開く。
 そこには、奴隷密売組織の首領、ドレインが入っていた。
 それは、もしもの時を考えドレインが作った隠し部屋だった。
 作られたのはごく最近で、火消しが調査を行った後に作られたものだった為、
見取り図にも書かれていなかったのだ。
「やれやれ。これは困ったことになりましたねぇ。」
 そう言いながらも顔は笑っている。
 部屋を出て今後のことを考える。
 この組織が潰れても、自分の才覚ならまた裏社会の頂点に立てるだろう。
 組織を失うことは特に問題にならない。
 だが新たな組織を立ち上げる資金が問題となってくる。
 金は分散して置いてあるが、一度失った物をもう一度作るとなると莫大な資金が
掛かってくる。
「どうやってその資金を集めるか。
 元老院の方にでも借りましょうかね。」
 お得意様の元老院の顔を思い浮かべる。
 その時、遠くから可愛い少女の声が聞こえてきた。
「ゼルギウスー!!どこにおるー!!」
 紫がかった青い髪に金の瞳の美しい少女。
「ほほう・・・。神使様ですか・・・。」
 ドレインの目が商品を見る目になった。

「ゼルギウス!返事をしろ!!」
 サナキは屋敷中を走り回り、ゼルギウスを探していた。
 息があがり足を止める。
(もうここにはおらんのか?)
 そう思いもしたが、サナキは探し続けた。
 どうしても自分でゼルギウスを見つけたかった。
(あやつは・・・いつも私を一番に見つけてくれた・・・。)
 小さな頃のかくれんぼ。
 何故かゼルギウスはサナキをいつも一番に見つけていた。
 見つけられて悔しいと思うと同時に、ほっとする自分がいた。
 広い大神殿の中一人でいるのは寂しかったのだ。
 ゼルギウスも、そんなサナキの気持ちを分かっていたのだろう。
 いつも他の誰よりも先にサナキを探していた。
(けど私は・・・そんなゼルギウスをいつも最後に見つけていた。
 寂しい思いを・・・させていた・・・。
 だから・・・今日はお前を一番に見つけてやる。)
 そう。これは自分とゼルギウスのかくれんぼ。
 鬼の私はゼルギウスを見つけないといけない。
 サナキは叫ぶ。ゼルギウスの名を。
「ゼルギウスー!!」
 再びサナキはゼルギウスを探し始めた。

 その時だった。サナキの体が妙な浮遊感に包まれた。
「何じゃ!?」
 次の瞬間、サナキは何者かの腕の中にいた。
「神使様。お初にお目にかかります。
 私の名はドレイン。奴隷販売業を生業としております。
 以後お見知りおきを・・・。」
 能面のような笑顔を浮かべ言うドレイン。
 その左手にはレスキューの杖。
「そうか・・・。貴様がゼルギウスを攫った張本人か・・・。」
「はい。どうしても将軍を買い取りたいと言うお方がおりまして。」
「私をどうするつもりか。」
「実はこの度、私が作ったこの組織がペルシス公により潰されました。
 また新たに立ち上げるにはかなりの資金がかかるのですよ。
 そこで、神使様にご協力を願おうと思いまして。」
「私を売り飛ばす気か。」
「ええ。神使様のような可愛らしいお方は好事家に高く買い取ってもらえるのです。
 資本金にするには充分な金額になります。
 運がよければ、ゼルギウス将軍と同じ主人に仕えることも出来ましょう。
 二人一緒なら知らぬ土地でも寂しくありませんよ。」
「嫌だと言ったら・・・。」
「・・・力ずくでも来てもらいます・・・。」
 そう言い、ドレインはサナキを抱え歩き始めた。

「この!離せ!!離さんか!!」
 ドレインの腕の中ジタバタと暴れるサナキ。
「大人しくして下さい。
 怪我などなさったらどうするつもりです。
 値段が下がりますよ。」
「うるさい!離せ!!」
 なおも暴れ続け、ドレインの体に頭突きをかます。
「ぐっ!?」
 ドレインの腕がゆるみ、サナキはぱっとそこから抜け出した。
 急いでサナキはそこから逃げ出す。
「待ちなさい!!」 
 ドレインがその後を追う。

(売られてなるものか!売られてなるものか!!)

 サナキは必死に逃げた。
 売られたらもうセフェランやシグルーンに会えない。
 何より、ゼルギウスを見つけることが出来ない。
「ゼルギウス!ゼルギウス!!」
 逃げながらもゼルギウスの名を呼ぶ。
「どこに・・・どこにおるのじゃ!!」

 怖い。大好きな人達と会えなくなるのが怖い。
 ゼルギウスと会えなくなるのが怖い。
 一人になるのが怖い。
「誰か・・・誰か来て・・・。
 ゼルギウス・・・どこにおるのじゃ!!」

 階段を降り、角を曲がり、再び階段を登り、降りる。
 必死に逃げるもドレインもしつこく追ってくる。
 そして、広いダンスホールに出た。
 二階へと続く階段を必死に駆け上がる。
「いい加減にして下さいよ・・・。」
 ドレインがぶつぶつと何かを唱え始めた。
「ファイアー!!」
「きゃぁ!?」
 火球がサナキの行くてを塞ぐ。
「神使様・・・。これで逃げ道はございませんよ・・・。」
 ドレインが余裕たっぷりに階段を登ってくる。
「さあ・・・。来てもらいましょう・・・。」
 サナキの腕を掴む。
「嫌じゃ!!」
 ぶんっとその手を振り払い、サナキも呪文の詠唱をする。
「ファイアー!!」
「くそっ!?神使も魔法が使えたか!!」
 ドレインはとっさに火球を避けるも、バランスを崩し階段から転げ落ちた。
 そのドレインにサナキは聞いた。
「貴様!何故人身売買などするのじゃ!!
 人が人を虐げ、奴隷とするなど、女神の教えに反しておる!!」
「何故?決まっているでしょう。
 金です。人を扱う商売ほど金になるものはない。
 殺しでも、奴隷販売でも!!
 いいではないですか。どれだけ人を売ろうと!!
 人など、どうせいくらでも生まれてくるんです!!
 その中のほんの一握りの者を売っても、世界には何の影響もございません!!」
 サナキの心に怒りの感情が生まれる。
「何じゃと・・・。
 お前・・・人を何だと思っておる!!」 
「人?私にとってはただの商品ですよ。
 この物はいくらで売れるか。損はしないか?元手はとれるか?
 それだけの存在です。
 もちろん愛情は感じますよ。私に利益をもたらしてくれますからね。」
 怒りがふつふつと燃え始める。
「商品じゃと・・・利益じゃと・・・。
 人は・・・人の命は・・・物ではない!!」
「物ですよ。家畜と変わりません。
 家畜を売る商売をして何が悪いのです?
 人も、牛も、豚も、女神のもとに等しく与えられた命なのでしょう。
 ならば、人も平等に売り飛ばさなければ、女神の教えに反しますよ。」
 その言葉に、サナキの怒りは炎となって燃え上がった。
「貴様・・・とことん腐りきっとるようじゃな・・・。
 お前に人の言葉は通じぬようじゃ・・・。」
 サナキはマントをバッと払いドレインと向かい会った。
「ドレイン!!貴様は、私の手で裁く!!」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
これだけは確実に言える。
ロリギウスだったら、全財産はたいても、サナキ様を買う!!絶対!!
 

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