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獅子対獅子の、悲しい戦いはまだ続きます・・・・。 『ゼルギウス将軍の一番長い日48 英雄群舞 第14幕 〜獅子の悲しき二重奏 後編〜』 二頭の獅子の咆哮が響く屋敷の中で、セフェランとルベールは密売組織の首領、ドレインの自室へと辿り着いた。 しかし、そこはもうもぬけの殻であった。 「逃げたのでしょうか?」 ルベールが部屋中を探る。 セフェランは見取り図を見ながら本棚をいじり始めた。 「ここの本を二回押す・・・。次はここを三回・・と。」 すると、本棚がゆっくりと動き、その場所から狭い通路が現れた。 「隠し通路ですか。」 「ここを使って逃げたのでしょう。 さ、行きますよ。外の様子も気になります。」 「はい。」 二人はドレインを追って隠し通路を走った。 「ゼルギウスー!!どこじゃー!!」 サナキもまた屋敷の中を走っていた。 屋敷の中は、人一人探すにはとてつもなく広かった。 だがサナキは呼び続けた。ゼルギウスの名を。 「ゼルギウスー!!」 外へと走るゼルギウスが、足を止めた。 「サナキ様・・・?」 サナキが自分を呼ぶ声が聞こえたからだ。 (まさか・・・こんなところにいるはずがない・・・。) あたりを見たが誰もいない。 それに、こんな危険なところに来る事を、セフェランは決して許さないだろう。 (とにかく、今は外へ急がなければ。 獅子相手では並の戦士では歯が立たんからな・・・。) ゼルギウスは再び走り始めた。 『グォオオオ!!』 金と褐色の獅子の咆哮が重なり合う。 「エリンシア様は、上空からの攻撃で相手の気を逸らして下さい。 ガトリーは動けるかしら?」 「はい・・・なんとか。」 「ならガトリーはロッタが攻撃を仕掛けると同時に攻撃を。」 ルキノが指示をとばす。 「では、行ってまいります。 ですが、ルキノはまだそこに居てください。 傷は塞ぎましたが、出血が多すぎました。 杖で傷は治せますが、失った血までは戻せないのですから・・・。」 「・・・分かりました・・・。」 ルキノが悔しそうに唇を噛む。 「サーシャちゃん。ルキノをお願いします。」 「はい・・・。気をつけて下さい・・・。」 エリンシアとガトリーもロッタへと続いた。 『オウラは・・・オレが救う!!』 向かい合う二頭の獅子。 オウラはロッタの一回り以上の体格を誇っていた。 なりそこないとなっても漂う威厳は、獅子王候補として申し分ないほどのものだった。 その威厳に圧倒されつつも、ロッタは攻撃を仕掛けた。 ロッタの爪がオウラの顔面を狙う。 しかしそれはたやすくはじかれ、逆に腕に牙を受ける。 「ロッタ君!」 すばやくエリンシアがリブローで回復をし、 「どりゃぁああ!!」 ガトリーが槍を構え突撃をしてくる。 だが、オウラも勢いよくガトリーに体当たりをしそれを迎撃する。 「うわぁあっ!?」 吹っ飛ばされたガトリーに追撃を加えようとするオウラの体に、 『させない!!』 ロッタが牙を食い込ませる。 鎧のように厚い皮膚に、若き獅子の牙は微かだが傷を与えた。 「グオォオオン!!」 自分の体を傷つけたロッタの首に、オウラが噛み付く。 「ガァアアア!!??」 ロッタが痛みに悲鳴をあげる。 「ロッタァー!?」 サーシャがロッタの名を叫んだ。 そのとき、涼しげな風が流れてきた。 『Kzeyo・・・WgatekiwoKrisake・・・』 「エル・・・ウインドー!!」 風は鋭き刃となりオウラに向かっていく。 その風刃に気づいたオウラはパッとロッタの首から離れる。 風はそのまま木々を切り倒す。 「大丈夫ですか!?皆さん!!」 「セネリオ!遅いっすよ!!」 セネリオが緑色の表装の魔道書を片手に現れた。 「この獅子はしばらく僕が抑えます。 女王はその間にロッタの回復を。」 「お願いします!」 エリンシアが倒れるロッタにリカバーをかけた。 幸いなことに、オウラの牙はロッタの金の鬣に阻まれ深手にはなっていなかった。 回復を受ける間、ロッタはずっと唸り声を上げていた。 痛みからではない。悔しさが心の底からこみ上げてくる。 (オレは・・・なんて弱いんだ・・・。) オウラを救いたいと願い戦った。 だが実際はどうだ。 オウラに微かな傷を与えることが精一杯。 逆にやられて今は動けない状態だ。 (強くなりたい・・・・。) 回復が終わり、ロッタはよろけながら立ち上がる。 『オレは・・・強くなりたい!!』 「グオォオオオオン!!!」 大切な人を守り、大切な人を救う力が欲しい。 そう思うロッタの咆哮が夜の空に響いた・・・。 |
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