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help リーダーに追加 RSS ゼルギウス将軍の一番長い日48

<<   作成日時 : 2008/01/23 22:04   >>

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獅子対獅子の、悲しい戦いはまだ続きます・・・・。

『ゼルギウス将軍の一番長い日48 英雄群舞 第14幕 〜獅子の悲しき二重奏 後編〜』

 二頭の獅子の咆哮が響く屋敷の中で、セフェランとルベールは密売組織の首領、ドレインの自室へと辿り着いた。
 しかし、そこはもうもぬけの殻であった。
「逃げたのでしょうか?」
 ルベールが部屋中を探る。
 セフェランは見取り図を見ながら本棚をいじり始めた。
「ここの本を二回押す・・・。次はここを三回・・と。」
 すると、本棚がゆっくりと動き、その場所から狭い通路が現れた。
「隠し通路ですか。」
「ここを使って逃げたのでしょう。
 さ、行きますよ。外の様子も気になります。」
「はい。」
 二人はドレインを追って隠し通路を走った。

「ゼルギウスー!!どこじゃー!!」
 サナキもまた屋敷の中を走っていた。
 屋敷の中は、人一人探すにはとてつもなく広かった。
 だがサナキは呼び続けた。ゼルギウスの名を。
「ゼルギウスー!!」

 外へと走るゼルギウスが、足を止めた。
「サナキ様・・・?」
 サナキが自分を呼ぶ声が聞こえたからだ。
(まさか・・・こんなところにいるはずがない・・・。)
 あたりを見たが誰もいない。
 それに、こんな危険なところに来る事を、セフェランは決して許さないだろう。
(とにかく、今は外へ急がなければ。
 獅子相手では並の戦士では歯が立たんからな・・・。)
 ゼルギウスは再び走り始めた。

『グォオオオ!!』 

 金と褐色の獅子の咆哮が重なり合う。
「エリンシア様は、上空からの攻撃で相手の気を逸らして下さい。
 ガトリーは動けるかしら?」
「はい・・・なんとか。」
「ならガトリーはロッタが攻撃を仕掛けると同時に攻撃を。」
 ルキノが指示をとばす。
「では、行ってまいります。
 ですが、ルキノはまだそこに居てください。
 傷は塞ぎましたが、出血が多すぎました。
 杖で傷は治せますが、失った血までは戻せないのですから・・・。」
「・・・分かりました・・・。」
 ルキノが悔しそうに唇を噛む。
「サーシャちゃん。ルキノをお願いします。」
「はい・・・。気をつけて下さい・・・。」
 エリンシアとガトリーもロッタへと続いた。

『オウラは・・・オレが救う!!』
 向かい合う二頭の獅子。
 オウラはロッタの一回り以上の体格を誇っていた。
 なりそこないとなっても漂う威厳は、獅子王候補として申し分ないほどのものだった。
 その威厳に圧倒されつつも、ロッタは攻撃を仕掛けた。
 ロッタの爪がオウラの顔面を狙う。
 しかしそれはたやすくはじかれ、逆に腕に牙を受ける。
「ロッタ君!」
 すばやくエリンシアがリブローで回復をし、
「どりゃぁああ!!」
 ガトリーが槍を構え突撃をしてくる。
 だが、オウラも勢いよくガトリーに体当たりをしそれを迎撃する。
「うわぁあっ!?」
 吹っ飛ばされたガトリーに追撃を加えようとするオウラの体に、
『させない!!』
 ロッタが牙を食い込ませる。
 鎧のように厚い皮膚に、若き獅子の牙は微かだが傷を与えた。
「グオォオオン!!」
 自分の体を傷つけたロッタの首に、オウラが噛み付く。
「ガァアアア!!??」
 ロッタが痛みに悲鳴をあげる。
「ロッタァー!?」
 サーシャがロッタの名を叫んだ。
 そのとき、涼しげな風が流れてきた。
『Kzeyo・・・WgatekiwoKrisake・・・』 
「エル・・・ウインドー!!」
 風は鋭き刃となりオウラに向かっていく。
 その風刃に気づいたオウラはパッとロッタの首から離れる。
 風はそのまま木々を切り倒す。
「大丈夫ですか!?皆さん!!」
「セネリオ!遅いっすよ!!」
 セネリオが緑色の表装の魔道書を片手に現れた。
「この獅子はしばらく僕が抑えます。
 女王はその間にロッタの回復を。」
「お願いします!」

 エリンシアが倒れるロッタにリカバーをかけた。
 幸いなことに、オウラの牙はロッタの金の鬣に阻まれ深手にはなっていなかった。
 回復を受ける間、ロッタはずっと唸り声を上げていた。
 痛みからではない。悔しさが心の底からこみ上げてくる。
(オレは・・・なんて弱いんだ・・・。)
 オウラを救いたいと願い戦った。
 だが実際はどうだ。
 オウラに微かな傷を与えることが精一杯。
 逆にやられて今は動けない状態だ。
(強くなりたい・・・・。)
 回復が終わり、ロッタはよろけながら立ち上がる。
『オレは・・・強くなりたい!!』
「グオォオオオオン!!!」
 大切な人を守り、大切な人を救う力が欲しい。
 そう思うロッタの咆哮が夜の空に響いた・・・。

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