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獣牙最強の種族である獅子と、ルキノたちはどうやって戦うのか・・・・・。 『ゼルギウス将軍の一番長い日46 英雄群舞 第12幕 〜獅子の悲しき二重奏 前編〜』 化身したオウラの体は、虎や猫とは比べものにならないほど巨大であった。 ルキノの体が獅子の威圧感に震える。 「ルキノさん・・・倒せそうっすかね・・・。」 ガトリーが不安げに聞いてきた。 「・・・なんとしても倒すのよ・・・。 でないと、こっちが死ぬわ・・・。」 「そうっすね。 俺がなんとか攻撃を防ぎますんで、ルキノさんは隙見て仕掛けて下さい。」 「まかせたわよ。」 二人がオウラの前に進み出る。 「ガァアアア!!」 オウラがルキノに爪を振り上げる。 「ルキノさん!」 ガギ―ン!! なんとかガトリーが槍でその爪を防ぐ。 (く・・んの・・・。ムッチャ重い・・・。) オウラはガトリーを引き裂こうと全体重を爪にかける。 「ルキノさん・・・早く・・・。」 「ええ!」 ルキノはオウラの首を切ろうと飛び上がった。 「でやぁー!!」 銀の剣が風を切り、オウラの首に振り下ろされた。 だが、その剣は首の皮を一枚切った程度で止められた。 「なんて・・・硬いの!?」 ルキノは信じられないといった顔をした。 「グォア・・・。」 オウラは首をふるいルキノの剣を払う。 そして、自分の体を多少でも傷つけた者をにらんだ。 「う・・あ・・・。」 その眼光は百獣の王にふさわしく、ルキノを射すくめ動きを止めさせる。 再び爪がルキノを狙う。 「避けて!ルキノさん!」 ガトリーの声を聞いて避けようとするも、足がすくんで動けない。 獅子の爪が振り下ろされる。 「きゃぁあああー!!」 「ルキノさーん!!??」 ルキノの白い服が真っ赤に染まる。 オウラは爪についたルキノの血をぺろりと舐めた。 「ルキノさん!ルキノさん!」 必死にガトリーは呼びかける。 「う・・・。」 かなりの重傷だが息はあるようだ。 「ガァ・・・。」 オウラもそれに気づき、ルキノに止めを刺そうと近づいていく。 「この・・・!させないっす!!」 ガトリーがそれを止めようと、ルキノとオウラの間に入った。 「グォアオオ!!」 どけ!そう言うようにオウラは吼える。 「どかないっす・・・。どかないっすよ!!」 体が震えないように必死に抑える。 「ガァアアアア!!」 自分のやろうとすることの邪魔をする者に、獅子はその鋭い牙を剥いた。 「うわぁああ!?」 その牙はガトリーの硬い鎧を砕き、そのままガトリーを吹き飛ばす。 これで邪魔者は消えた。 オウラはゆっくりとルキノに近づいて行く。 「どうしようロッタ・・・。ルキノさんが・・・。」 サーシャが泣きながらロッタにすがりつく。 「オレ・・・オレ・・・。」 どうしたらいいのかロッタにも分からない。 戦って、オウラを救うことが正しい選択なのだろう。 だけど戦えるはずがない。 (オウラは・・・オウラは仲間なんだよ!!) ロッタは迷い続けた。 オウラがルキノのすぐ前へ来た。 「ルキノさん!」 サーシャが叫んだ。 そのサーシャの声に続くように、天から美しい声が聞こえてきた。 「ルキノーーーーー!!」 「エリンシア様!!」 純白の天馬と共に、エリンシアが舞い降りた。 素早くルキノを救い上げると、サーシャ達のいるほうへとやってくる。 「ルキノ!しっかりして!!」 エリンシアがルキノにライブをかける。 「すいません・・・エリンシア様・・・。」 「喋らないで!」 ルキノの傷口が少しづつ塞がっていく。 「サーシャちゃん、ロッタ君。あの獅子は・・・?」 ライブをかけながらエリンシアが聞いた。 「・・・なりそこないです・・・。」 「名前は・・・オウラ。ガリアのオウラって・・・。」 「ガリアのオウラですって!?」 その名に、エリンシアは聞き覚えがあった。 「エリンシア様・・・。オウラを知ってるの?」 「知ってるもなにも・・・オウラさんは次期獅子王候補の一人。 同じ獅子王候補のスクリミル様と並び新世代のガリアを支える一人としてクリミア王宮内 でも、その名を知られております・・・。 そのような方が何故奴隷密売組織に捕らえられているんです!?」 エリンシアは褐色の獅子を見た。 「次期・・・獅子王・・・。 すっかり忘れておりましたわ・・・。」 ルキノが苦しげに言う。 「どうりで強いはずです・・・。 私達は・・・未来の獅子王候補を相手に戦っているのですね・・・。 エリンシア様・・・私はもう大丈夫です・・・。 ガトリーを・・・。」 「分かったわ・・・。」 エリンシアが再びガトリーを助ける為に飛び立つ。 (未来の獅子王と・・・どう戦えば・・・) ルキノは必死に考えた。 自分の剣では、獅子の固い皮膚を切り裂くことは出来ない。 エリンシアの剣も同じだろう。 ガトリーの力ならなんとか傷を負わせることは出来るだろうが、 獅子の素早い動きに重騎士のガトリーがついていけるか。 「オウラ・・・・。」 そう呟くロッタの姿が目に入る。 唯一の希望とすればロッタだろう。 ロッタもまだ幼いとはいえ獅子だ。 獅子の牙なら同じ獅子の皮膚も通すだろう。 だが、ロッタにそれを強要することは出来ない。 獣牙族は、同族同士の絆が深い。 同族を傷つけるなど、幼いロッタには酷なことだ。 エリンシアがガトリーを連れて戻ってきた。 見たところ、ガトリーの傷はあまり深くはなさそうだ。 だが、鎧は傷つきその防御力をほとんど失っている。 次に攻撃を加えられたら完全に砕けるだろう。 (絶体絶命・・・。) そんな言葉がルキノの頭に浮かぶ。 褐色の獅子を見た。 首をキョロキョロ動かし、何かを探しているようだった。 獲物を探しているのだろうか? そして獅子は天に向かって吼えた。 「グアァオオオオ!!」 「え・・・?オウラ?」 「どうしたの、ロッタ?」 その咆哮から、ロッタは何かを感じとった。 「オウラ・・・誰かを探してる・・・。」 |
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